単独登頂成功!!


久しぶりにChamonixへ帰ってきました!!
今回は一週間スイスのツェルマットに滞在していましたが、なかなか充実した山旅でしたよ。

「シャモニ~ツェルマット」 は電車で約4時間30分。
ツェルマットは多くの観光客で賑わっていて、メイン通りを歩くとシャモニの街以上に日本人のお客さんが多い事に驚きました!?
この日(27日)は予約しておいたホテルに泊まり、翌日は朝からモンテローザ小屋まで、のんびりハイキング♪
小屋まで行くのに氷河上を歩いていかなくてはならないのですが、想像以上にクレバスが大きく口を開けていて、はたしてハイキング? と言えるコースなのかと思ったくらいです・・・。

モンテローザ小屋には私の他にも日本人のお客さんがいて、話をしてみたら国際山岳ガイドの篠原さんとお客さんで、2人とも私と同じ日程でモンテローザを登りに日本から来ていました。
この日は夕方くらいから雨が雪に変わりだして、29日の早朝2時20分に起きて外をみてみたら雪がまだ降っている状態で、小屋の従業員も起きてこないので私は登頂をあきらめて、部屋に戻って再び布団に入って寝ることに・・・。
そして7時から朝食を食べて色々と考えた結果、モンテローザ山頂に立つまで小屋から下山しないで、天気が良くなるまで停滞しようと決めたのです!!
篠原ガイドとお客さんも私と同じ考えで、3人で一緒に山小屋で昼食を食べながら色々な話をしましたよ!

29日の夜も天気が悪く、夕方からはまたまた雪・・・。
それでも翌朝の2時20分に起きてみると、雪は降っているけど星が見えている状態なので、山小屋の主人も起きてきて
「1時間様子を見る。 だから3時30分から朝食だ!」
と言っているので、主人に言われるがままに再び部屋に戻って布団の中で待機。
そして3時30分になって雪が止む事はなかったけど、とりあえず私と篠原ガイドと相談しながら朝食を食べていたのですが、安全を考えると登頂をあきらめるしかない状態だったので、この日は体を休める為にゆっくり寝ることにしました。

朝9時30分頃に起きてみると外は快晴・・・。
マッターホルンも綺麗に見えるではありませんか!!
モンテローザ小屋から山頂までは標高差1800m
登りだけで7時間はかかりますので、とてもじゃないけどこんな時間からでは出発する事が出来ないので、この日も登頂をあきらめて小屋で待機・・・。
だんだん疲れと不安が溜まってきて、みんなの口数が少なくなってくるような状態。
この日は気晴らしに、外のテラスでワインを飲みながら昼食を食べる事に!!
そして食後はテラスで3人揃ってお昼寝タイム
どうやら天気予報では、明日から天気が良くなるとの事。 我らが3人、その言葉を信じるしかありません。
夕食時に外を見てみると、マッターホルンが夕日を浴びて赤く染まっているではありませんか!?
これなら明日の朝は期待が出来ると思い、早めに寝ることに。

予想は見事に的中!!
31日の朝2時20分。 山小屋から綺麗な星空が見えるではありませんか。
風も穏やかだし、絶好のアタック日和!
2時30分からみんなで朝食を食べて、いよいよ念願のモンテローザへ向けて山小屋を3時10分に、私達以外に5組のメンバーが出発しました。

前日まで雪が降っていたので、山小屋から上はかなり積もっていて正確な登山ルートがわからない状態・・・。
そんな中、私はヘッドライトの明かりだけを頼りにトップで登り始める。

小屋を出発してから2時間10分後にようやく氷河の末端まで登ってきて、ここからアイゼンを履いていよいよ氷河上を登る事に。
まだまだ辺りは暗く、ヘッドライトの灯りだけを頼りにクレバスを避けてルートを探しながらゆっくりと登り始めたのですが、クレバスが多すぎてなかなか思うように前へ進めません・・・。
それに雪も膝まで積もっているので体力の消費も激しく、トップを一緒に登っていた仲間達(ドイツ人とスペイン人)で、交代しながらラッセルをして突き進んでいく事に。

クレバス地帯を登りつめた標高約4000m地点で、篠原ガイドとお客さんは残念ながら日本へ帰る日程が迫っていたので、下山をしたようでした。
そして4300mまで登りつめると、いよいよ斜面がきつくなってきて風が強くなってきたので、私の後ろを登っていたグループも登頂をあきらめて撤退し始めました。
そして4359mの「ザッテル」と呼ばれている場所からは、いよいよ本格的な登山の始まり! と言った感じです。
雪面も今まで以上に斜度がきつくなり、雪もガチガチに固まっていて少し油断をすれば落ちてしまう場所を、慎重に登り始めて上部にでてみると岩場が待っていたのですが、かなり岩場に雪が積もっていて嫌な状態・・・。
この時点でここまで登ってきたのはどうやら私だけ。
今まで登ってきた斜面を振り返ってみると他のメンバー達は全員、来た道を引き返していました。
とうとう私はこの場所で、一人ぼっちになってしまったのです・・・。
正直言って、この時はものすごく不安で恐ろしくなりました。
それでも頂上まではあと少し。 ここで登頂をあきらめてしまったら絶対後悔することになる思う。
私はたった一人で雪の積もった岩場を、ひたすら登り始めました。

何度もピークがあったのですが、登るたびにまた目の前にピークが見えてくる。
頂上はまだなのか・・?
さすがに疲れ始めた頃、ようやくヨーロッパ第二の高峰「Monte Rosa 4634m」の頂上が見えてきて、小屋を出発してから8時間40分が経っていた8月31日、昼の11時50分。 無事に頂上まで登りきる事ができたのです!!

今回のモンテローザ登山は本当に疲れましたが、頂上でたった一人で眺める景色は格別なものです!!
とても静かで、自分の声と風の音しか聞こえない世界。
またいつか登りに行きたいと思う名峰です。

登頂した31日にツェルマッとまで下山してきましたが、街に着いたのが夜の8時40分!?
1日で歩いた時間はなんと16時間・・・。 さすがに疲れました。
それでも翌日は昼から「Breithorn 4165m」に登りに行ってきてましたがこの日も天気が良くって、ブライトホルンの頂上から絶景を楽しんできましたよ♪

今回の山旅は、本当にいい経験になりました。
私を支えてくださる皆様に、本当に心から感謝いたします。
ありがとうございました。

コメント

  1. 樋口康夫 より:

    激励
    元気にやっている様で安心しました。
    くれぐれも慎重に判断し、行動してください。
    明9月6日 アドくんの妹 イオナ嬢が来日します。
    我が家がまた賑やかになりそうです。
    食事と睡眠は、充分にとり次の山行に備えてください。(シーズンオフに近いか?)
    元気で!

  2. 明日香 より:

    お疲れ様
    淳君の登山の回のブログは、読むたびにドキドキするよ。
    なんだか、今現在登ってるみたいで、無事に帰ってくるの!?みたいな気持ちになってしまう。
    ので、最後まで読んでホッとしている限りです。
    いつもそんな無事帰還ブログでヨロシク!